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執筆者の写真: 渡邊 優渡邊 優

著:大津秀一「感動を与えて逝った12人の物語」を読みました。

緩和医療という、癌の患者が最後の時を迎えるにあたり、痛みや苦痛を和らげるための医療現場で、最後まで人としてどうあるか、どうあるべきか、そんな誇り高く、強く尊厳を持った方々の物語でした。


この12人の物語には深い「感動」がありました。


お一人お一人に、他人には見えないその人だけの人生という背景があり、一見幸せそうに見えても、過去には多大な苦労があったり、また今もこうして終末を迎える自分と向き合っている。しかしそれでも自分は幸せだった。満足していると言い、周りに笑顔を絶やさず、医療現場の方々を気遣い、幸せのお裾分けをしている。


今生という人生の終末を迎え、最後まで他を思いやり「若い医者の勉強になるんだったらこの身は惜しくない」といいこの身を捧げる。そんな誇り高い「人」の生き方が散りばめられていました。


本文の中にこんなことが書かれていました。

「私には私の人生が、あなたにはあなたの人生がある。あなたにはあなたの輝きがあるはずだし、私の真似をしても仕方ないわ。あなたはあなたの素晴らしい人生をまっとうするべきなの。人には人、それぞれの人生があるわ。あなたと私の歩いている道は大きく違う。だから私のようになるのは無理よ。あなたはあなたの道を行けばいいの」ないものをねだるより、己の道を極めるべし、彼女の峻厳な人生訓であった。 本文より


ここに出てくる人たちの最後の物語は頭で考えて出来るものでは到底なく、その人そのものの心がそこには現れていました。人とはこれほどまでに強く、優しくなれるのかと感動と勇気をを貰えた内容でした。





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