著 黒川伊保子 人間のトリセツ を読みました。
人工知能と脳科学の研究者で、作家でもある著者の本を今年に入って3冊ほど読みました。
その3冊の本の共通に、失敗は脳に良い!というとが書かれていました。
「失敗をすると、その晩、私たちの脳は眠っている間に、失敗に使った関連回路の閾値を上げて、神経信号を届きにくくさせる。
要らない場所に電気信号を流さないこと。実は脳にとって、これが1番大事なのだ。
使うべき回路を正しく絞る事で、私たちはとっさの判断を間違わないようになる。それが、勘であり、センスだ。センスがいい、勘がいい、発想力がある、展開力がある。こういう能力は知識の上書きでは手に入らず、自ら失敗して痛い思いをする事で、脳の中に「信号が行きにくい場所」ができ、「信号が行きやすい場所」が浮きだってくる、そうやって手に入れる能力なのである」
特にこの失敗は、20代、30代、に多く積むほど良いのだそうです。
なるほど〜!
普段私たちが普段犯したくない失敗やリスクが、実は素晴らしい能力を手に入れるためのものだったとは!
また、失敗をしないと人間はどんどんアホになるらしい・・・
失敗は成功のもととよく言うけれど、そんなからくりがあったのですね。
また著者は人生についてもこう言及しています。
「清く、正しく、美しく、優秀で、ノーリスク、そんな失敗も傷もな家に育ち、許しのない人生を生きていくなんて想像しただけでも苦しくなる。完璧ではない自分を厭い始めたら人生はいくらでも過酷になる」
私たちの持つ黒パターンは常に失敗を恐れ完璧を目指します。
だれよりも優秀に、だれよりも上へと。
それが幸せになるかのごとく。
もう完璧ではない未熟な自分を受け入れて、戦いから降りてもいいのかもしれない。
色々と腑に落ちる内容の濃い読書でした。

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